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農工大の植物工場(ブルーベリー植物工場)の見学   

久々のブルーベリーの話です。
ブルーベリーのブログを書いてる事を最近忘れていましたが、今日はブルーベリー
ネタです。あしからず。

私が園芸学を勉強させてもらってるのが、東京農工大学の荻原教授から教わってる
のですが、前々よりブルーベリー工場(植物工場)の話は聞いていました。今日
見学をさせてもらいました。

研究室に顔出したのですが、そういえばメールに植物工場の方に来て
と書いてありましたので、院生に案内してもらいました。カードキーが無いと
入れないですからね。後で分かったのですが、出るのもカードキーが無いと
出れない仕様でした。うっかり外に出ちゃったら、ごめん、また研究室に戻って
学生伴って工場内に入らないといけなくなる所でした。

先生のところを訪問させてもらったのですが、先客があり、ちょっと待ち時間があった
ので、院生がお茶を出してくれました。(’実は先に研究室で紅茶をごちそうになった
のですが・・いつもコーヒーやら出してくれて、かたじけない。そこらの企業より
接客の教育が行き届いています。いい社会人になるでしょう・・)
せっかく待ち時間と言うので院生とおしゃべりさせてもらいました。

どんな研究をしてるの?など・・内容も詳細に説明してくれました。研究内容なので
キモの部分が話せませんが、ブルーベリーのアントシアニンの研究でした。
ブルーベリーのアントシアニンはご存知の通りですが、そのアントシアニンにも種類
があり、そんなのは周知の事だから話してもいいと思いますが、アントシアニンの大きく
6種類に分類されます。
デルフィニジン・マルビジン・シアニジン・ペチュニジン・ペオニンジン・ペラルゴニンジン
その6種に糖・有機酸が結合して、ブルーベリーには13~15種類のアントシアニン
があります。その含有量の研究でした。まぁ品種でかなりの差異があると言う事です。
品種は内緒です。院生がわざわざ研究中なことなので話せません。
いずれ論文にて発表されることでしょう。機能性果実のブルーベリーですから
この研究は重要な事だな~って思います。説明も分かりやすいしこれから
立派な研究者になってもらいたいな。

ブルーベリーの病気のパネルがあったので、これは興味津々で見ていました。
うわぁ~これこれ・・一時期私を悩ませた赤色輪点病・・これウィルスなんだ~
って処分して良かった。しかし、急いで書き写しただけど、写真が載ってるから
この資料欲しいな。

そうこうしてるうちに教授からお呼びが掛かったので、植物工場を案内してもらいました。
まずは入室に10秒エアーシャワーを浴びて入場・・

科学技術振興機構の
周年生産のための東京農工大学ブルーベリー・キャンパスファクトリー

植物工場におけるブルーベリー果実の収穫期間の拡大

この資料にある通り、驚きの結果でした。

ちょっと写真
農工大の植物工場(ブルーベリー植物工場)の見学_d0022845_20574418.jpg
春部屋から見学開始・・施設内で四季を再現しています。

でここで私が驚愕したのは・・これ。(写真写りが悪くてすみません)
農工大の植物工場(ブルーベリー植物工場)の見学_d0022845_20592854.jpg
頂部(先端部)は結実してるが、その下部から基部に向かって萌芽が始まってる事。
ただしこの芽が花芽か葉芽かはまだ判断出来ないとの事。ただ私の
見立てではこれは花芽になると思われます。
これには驚きでした。先生とここで何分も喋ってしまいました。

だっておかしいじゃない・・夏に連続して枝垂れてなるブルーベリーは見る
けど、先端部で結実してて、その下から芽が出てるなんて・・(居残り、心の叫び)

私のブルーベリーを10年ちょっと育てて来て、結実してる先から既に
次の花芽が発生してる事。私の持っていたブルーベリー栽培の概念が
崩れました。

果実栽培の最大のポイントは花芽分化です。花芽分化を制御できればいつでも
花が咲かせることが出来るということです。有名な話だと植物ホルモンの
フロリゲン。フロリゲンがあれば簡単に言うと花咲じいいさんになれる訳です。
この植物工場では環境に寄って花芽分化誘発を意図してる訳ですが、これは
すごいですね。
教授の前で・・え~ありえない・・って驚嘆してしまいました。
まぁ説明は難しいのではしおります。(実はブログで書いていいのか教授の
許可が必要かな・・と思っています)

で今は冬ですが、施設内では国産のブルーベリーがなっております。
農工大の植物工場(ブルーベリー植物工場)の見学_d0022845_2113592.jpg
教授から食べる??って食べさせてもらいました。1粒1万だよ・・などと
冗談を聞きながら・・(笑)先生は酸っぱいかもよ。とおっしゃていましたが
甘くてこれが美味しいの・・まぁさすがに1粒1万円は出せませんが・・(笑)
この時期に国産ブルーベリーが食べられた貴重なことでした。

次は夏部屋
農工大の植物工場(ブルーベリー植物工場)の見学_d0022845_21153825.jpg
ここでは自動潅水装置と自走運搬装置を見学させてもらいました。

居残りブログ初の動画です・・
運搬装置 RMOV0080.AVI
と言っても、350M近くあるし、動画はただ運搬車が動いてるだけだから
見ない方がいいです。それにこの続きに潅水シーンがあるのですが、肝心の
潅水シーンがちょん切れています。

この部屋で見たのは、温度、水分量、pH、EC比などなど確か8項目の
データーロガーがあったのがすごく欲しいです。開発も独自だったそうで
売ったら買いたいなって思いました。これは施設栽培してる農家も欲しい
じゃないかな・・商品化してもらいたい物でした。

次の部屋では

LEDにて補光が行わています。
農工大の植物工場(ブルーベリー植物工場)の見学_d0022845_23413894.jpg
LEDで補光は失念してしまいましたが長日条件と光合成速度の増大を
与える意味合いがあると思います。
農工大の植物工場(ブルーベリー植物工場)の見学_d0022845_2343752.jpg
LEDの制御はPCにて制御しています。

後は秘密の部屋を案内されました。ここは口外しないで・・と言われてる
ので書けません。ただ一言だけ・・あ~出来るんだ~(驚)と言っておきましょう。

その後、先生から研究室でプロジェクターを見ながら雑談・講義してくれました。

先生の勉強会などあったら参加したいと話した所、やるから参加していいと
許可してくれました。研究会を始めるそうです。私に事務局をやってくれとも
言っていました。さてどんな事が始めるのでしょうか・・来年が楽しみです。

人工環境にて花芽分化を制御する技術は驚きとちょっとだけ園芸学を勉強
しましたが、え?通説と言うか、教科書や本に書いてあることを、技術の進歩
によって加筆訂正してもらわないといといけない部分もあるな。と感じました。
例えばブルーベリーは結果習性が、仮軸性と学びましたが、今日見たものを
見ると、これはビワ・ナシなどと同じ同軸性だな。と感じました。
私の中ではなんでそうなるの??ってすごく興味あります。
オーキシンの影響だろうと思いますが、この施設と研究をみてるとこれからの
ブルーベリー栽培も変わってくる感じがします。
色々、研究が進んでくれると栽培方法変化して行って、より良い商品が出てくる
未来を感じました。もちろんこの技術は他果樹にも応用されていくことでしょう。

いや~今日は有意義でした。先生ありがとうございます。

by inokorisan | 2011-12-27 21:24 | ブルーベリー

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