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かんかんのう   

今日は昨日の残り雨が午前中まで、午後は曇りからだんだん日が差して
晴れ渡りました。まさに雨上がる。って言う感じ。

TV見ていたら、長門裕之さんが亡くなった葬式の事が放映されていた。
出棺の音楽が「かんかんのう」でした。なんか楽しそうな出棺で、あ~
いい葬式だな~って思いました。写真も良かった。

落語の演目に「らくだ」と言う噺があるのですが、「らくだ」という体の大きな
のそのそした図太い人間が、長屋でフグを食っておっちんでしまった。それを
見つけた兄弟分が、ラクダの葬式を出してやりたいだが、先立つものがねえ。

そこに屑屋が通り掛かったから、うちの中に呼び込んで、ラクダが死んじまった
から、家財を処分して、葬式代を捻出したいと言った。以前、ラクダさんが
生きてる時分から、引き取れるものは無いガラクタばかりで、すべて言い当てて
しまった。

仕方の無い兄貴分、屑屋さんの天秤棒をかたに取って、、屑屋に長屋の月番
の所に行って来て、香典を集めてこいと言った。屑屋さんは商売道具の天秤棒
を取られちゃったので、しぶしぶ長屋の月番の所へ行って、ラクダが死んだ
香典集めに行かされちゃいました。月番はうれしそうにラクダが死んだかい。
と喜んだが、しぶしぶ香典出すことになった。

やっとこ屑屋さんは解放されるかと思ったら、次は長屋の大家さんの所へ
言って、酒と肴を用意するようにと、また使いにやらされた。ここの大家さんは
どけちの大家さんで有名で、そんな事してくるなんて思えない。と兄貴分に
言った。兄貴分も「死人(しびと)のかかかんのう」を踊らしてやるぞ。と言え
と知恵を授けた。

大家さんの所を訪れた屑屋さん。申し出の通り、葬式で出す酒と肴を出して
くれと言ったが、ドケチの大家さん。らくだが引っ越してきてから一度も家賃を
貰ってなかった。酒だ料理だ出せる訳がない。さすがの屑屋さんも兄貴分から
の入れ知恵の死人のかんかんのうを踊らせるぞと言ったら、大家さんも
やれるもんならなってみろーと追い返してしまった。

仕方ないからラクダの死体を大家さんの所に運んで、ホントに文楽のように
操って死人のかんかんのうを踊らせた(カンカン踊り)驚いた大家さんは
酒と料理を用意する事になった。

つづく まだおちまで長いので、寄席で落語「らくだ」を聞くといい。
まぁ松鶴のらくだがyoutubeにあるからそれがいいかもしれない。
http://www.youtube.com/watch?v=YogSfhc2iY8

さて、このらくだの死人のかんかのうを題材に、作ったのが遺作の
寝ずの番
名人落語家橋鶴が亡くなった。寝ずの番で弟子たちが遺体を担ぎ出して
師匠の演目らくだから「死人のカンカン踊り」をする。面白い映画ですよ。

落語を引っ張りだしてきた映画は多いけど、最近面白かったのは
「しゃべれどもしゃべれども」が良かったな。香理奈がいいよ。あの
無愛想な顔がいいね。
でも落語映画ではやっぱり川島雄三の「幕末太陽傳」が一番ですね。
売れっ子(今で言うナンバーワン、当時の言葉では板頭(いたがしら)
おいらん役(こはる)が南田洋子さんですよ。さすがの美人だね~
あの売れっ子の美人を嫁に出来たらだから、それだけで幸せな人生
だったじゃないかな?と想像していました。

「かんかんのう」が出棺の音楽ですから今日の葬式は、寝ずの番の
続きを見てる感じで、ばちが当るほど面白ろかった。

by inokorisan | 2011-05-24 21:26 | 閑話

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